最高裁判所第三小法廷 昭和57年(あ)552号 決定
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人南野雄二の上告趣意のうち、憲法三一条違反をいう点は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律二条二項、三項、同法施行令(昭和五八年政令第九五号による改正前のもの。以下同じ。)一条の各規定に照らすと、同法七条一項、二五条一号の罪の構成要件が所論のように不明確であるとはいえないから、所論違憲の主張は前提を欠き、その余は単なる法令違反の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
なお、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物は、工作物の除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類するレンガ片、鉄筋片等の不燃物をいうと解すべきであるから、家屋等の除去に伴い不要となった木材(いわゆる廃木材)が右の産業廃棄物にあたらないとした原判断は正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 安岡滿彦 裁判官 伊藤正己 裁判官 木戸口久治 裁判官 長島 敦)